北堀江の家

昭和56年築の広さ20坪程度のマンションリノベーション。限られた面積の中に最大限の空間を確保し、キッチンやダイニング、メディアカウンターや小上がり和室、縁側のような場所などを機能的に配置する事で“きもちのいい”一体感のあるオールワンリビングを創った。同じ部屋が生活シーンによって何通りにも変化し、いろんなところに“きもちいい場所”をちりばめて、住まいでの日常を楽しめるよう配慮した。またマンションの住戸内を木造住宅のようにしつらえる工夫を随所に施した。

■ 主室を望む
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マンション然とした梁型をできるだけ収納で隠し、住空間に似合わないスケールを残さないように配慮した。メディアカウンター下は収納とし、一部ビデオやオーディオ機器などを隠蔽した。南側の開口部には引込建具を設け、光をコントロールできるようにするとともに、バッファとしての役割も持たせた。

■ 主室と小上がり和室の関係
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主室の食卓を中心にキッチン、メディアカウンター、小上がり和室などの諸機能を配置し、多様な生活シーンの変化に対応できるようにした。床は吉野杉の床板で遮音性能を確保するための床仕様により30㎜床が高くなっている。天井高はその為2350㎜。

■小上がり和室を望む
S3 S_11 小上がり和室は布団の寸法を基準に間仕切り位置を決定した。床下を収納とすることで約押入れ一間分の容量を確保した。袖に鏡を設置し、空間の連続感を演出すると同時に縁側のようなところを設けた。壁も吉野杉板張り。主室と小上がりの間は建具で仕切ることで多様なニーズに対応できるようにした。

■ 台所を望む
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S_12台所は必要最小限の広さを確保し、動線の整理による使いやすさを考えた。つり戸棚をなくしオープン棚で見せる収納を演出すると同時に、見せたくない収納の為に新たに壁を設け、そこに家電やダストボックス、食材の収納などを設けた。収納を兼用した油煙よけの垂れ壁も吉野杉のアクセントとともに新たに設置した。カウンターはクライアントの日曜大工によるもの。

■玄関から廊下を望む
S6 S_13 廊下は天井高を低く押さえ、吉野杉板貼りとした。低く薄暗い廊下を通り、主室に出ることで主室の天井高を高く見せる効果を狙った。同時に天井の裏を収納とし両サイドの部屋から使えるようにした。低いところや高いところ、暗いところや明るいところ、閉じたところや開いたところなど、全体的にメリハリが出るように意識して計画した。

■ サニタリーを望む
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もともと独立型の洗面所とトイレを、開放感のあるものにするため一体型のサニタリーとした。狭くて暗くなりがちなマンションの水回りを一体化し、廊下に全面開放できる引戸で仕切ることにより、南側ベランダから主室を通じて外の光が届くようになった。

■ 主室からベランダを望む
S8 S_15 ベランダの開口部には従来採用されがちなカーテンをやめ、障子のような引戸を採用することで、光のコントロールをすると同時に、外気からのコールドドラフトを防ぎ、サッシ結露を和らげる意味でのバッファとなるようにした。ベランダの置き敷きウッドデッキとの連続間により主室の延長としてとらえ、縁側のような効果を狙った。