今の住宅はオープンキッチンが主流。
主流というより基本となっていますよね。
「オープンキッチンにしないといけない」
「世間的にオープンにしないといけない流れ・・・」
っていうことも一つの理由としてあるように思います。
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それはキッチンのあり方を『スタイル』で見るから。
本来は機能的であるべきキッチン(台所)が
リビング(居間)に顔を出すようになって
より「公」な場所になってきたからと言えるでしょう。
その反動で機能以前にスタイルを追及して
本来の台所としての使いやすさや居心地の良さを
機能的、心理的にそこなってしまっている場合もあります。
これは小上がり和室からダイニングを見たところ
(ダイニングテーブルがまだ無い時の写真ですが^^;)
奥に見える扉の向こうにはキッチンがあります。
この家はオープンキッチンを採用していません。
設計の段階で奥様の『家事癖≒価値観』を考えて
奥様が快適にキッチンでの営みを行えるように計画しています。
・料理をしているときは集中したい
・出来た料理はすぐ家族と食べたい
・ゆえに片付けは寝る前になる
・モノの整理があまり得意でない
など、キッチンでの振舞いは十人十色です。
こんな場合、スタイルを優先してしまうと
かえってストレスになってしまいます。
この家のキッチンは個室として閉じれるようになっていますが
出入り口の引戸は「引き込み」にして扉が隠れるようになっています。
引戸の横には内窓を設け、キッチンとダイニングを内窓でつなげています。
そしてキッチンと台所にある外に開いたサッシ窓を連窓とし
キッチンの吊戸棚をなくし、換気扇を壁付けの特殊なものとすることで
ダイニングとキッチンが外部に開放的であるようにしています。
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このようにキッチン(台所)は滞在時間の長いスペースであると同時に
そこを使う家族の、主に奥さんの『家事癖』が
使いやすさや居心地を決める大きな要素になります。
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リビングとのつながりや閉じ方にはいろんなアイデアがあります
キッチンが開放的であるためのアイデアもいろいろあります。
新築の際もそうでうが、リフォームする際に
今までの家でのキッチンの使い勝手と自分の家事癖を照らして
本当の意味での『自分の理想』を実現されてみてはいかがでしょうか。