家づくりの現場で「整理整頓」は当然です。
工事現場の整理整頓といえば、なんとなく「清掃」とか「片付け」といったイメージを持つと思いますが、実は工事の出来にとても関係するのです。
一般的に言う、いい工務店やいい大工さんというのは、そのほとんどといっていいほど「整理整頓」ができていて、現場がきれいです。
現場がきれいということは、段取りが上手で、無駄な材料を出さず、危険が少ないということになります。
こういったことは、お客様の喜びとして戻ってきますし、そういうことが当たり前に出来る工務店は、整理整頓がお客様の喜びのためだとわかっています。
もっと言うと、そういう工務店の職人さんは、一人ひとりがそういうことを自覚して仕事をしています。
かつてこんなことがありました。
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工務店がすでに養生している床の上に、もう一回自分で養生をして施工している職人さんがいました。「工務店の養生が自分の作業で汚れたら、次の工事の職人が気持ちよく仕事が出来ないから」と。
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私たちのような設計者は、たくさんの工務店さん職人さんと関りますから、その違いは十分わかりますがら、そういうことこそクライアントに伝えなければいけないことではないかと思っています。
やっている本人が「どうですか?うちの現場きれいでしょ!?」と堂々と言ってもいいとおもいますが、なかなか堂々と言えないものです。
そういうカタチに現れないこと、カタチ以外のクオリティーに関することを設計者がクライアントに伝えるべきことなんじゃないかなぁと思っています。
そういう姿勢の一つ一つが最終的な「モノ」のクオリティーにつながってくるということは言うまでもありませんし、モノが出来るまでの「プロセス」や「エピソード」として大切ということも「家づくり」ということを伝えていかないといけないと思っています。