出来れば空間を構成する素材はそのままでいて欲しい。
材料の持つ「肌」がそのまま空間に与えるものを感じてもらいたい。
モノクロで表現されたヌード写真のように
形や肌が持つ美しさを、何か心地よい空気感として伝えたい。
そんなに難しい事ではないはずだ。
いや、現代の住まいづくりには難しいのかもしれない。
自分にとって大切な人が老いていく姿を愛しく思うのと同様に、
自分にとって大切な住まいが時を経て愛しく思ってもらえるように。
素肌の空間。
意識して取り組みたい、私の大切な考え方である。
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東天満の家 写真:藤井稔