「作風」とは「個性」だとおもう。
住宅に「作品」という言葉を使う事に嫌悪感を持つ人達がいるが、私はそう思わない。
「作品」とは、クライアントと建築家が共に作り上げた、胸を張って言える力のこもった創造物だと思うからだ。
そういった「作品」には誰もが感じる「作風」がある。
「作風」とは建築家自身の個性、つまり哲学から作法まで様々なものを瞬時に感覚的に意識する事が出来るまで研ぎ澄まされた状態の事なのだろう。
建築家 伊礼智 氏のブログにこうあった。
設計の標準化は仕事のクオリティを高め、
責任ある仕事を可能とし、「作風」を明確にし、
ものつくりとしての社会性を得る、ひとつの方法である。
確かな仕事をする建築家(住宅作家)はみんな標準化が意識されている。
口には出さなくても・・・。
作風が明確になっているので一目見て設計者が誰だか分かる。
私が木造強化合宿でご一緒し、同じ言葉を直にいただいた時、いたく感銘を受けた。堂々とした言葉の発し方に、私もこうならねばと高い目標をもった。
ただし、ここに至るには努力して10年かかることも同時に理解した。10年後の時代を見据えて、伊礼氏と同じように堂々とした言葉を発する事ができるよう日々精進したい。
伯方島の家 撮影:鈴木研一