ふたつ目のシンポジウム

「いま、建築に何が可能か」

こういうテーマでシンポジウムが行われた。私達建築に関わる者にとって、このテーマはとても重い。私達が産まれた時代から今日まで「建てる」事が出来た時代の建築の価値観や振る舞いがこの先本当に通用するのか、人口統計的に見ても「建てれない」時代に突入する中、どういう観点において何を“設計”するのか?という事を理想論だけでなく、現実論と照らし合わせて考えてみようといったものだった。

最近私もこういったテーマに直面して議論したり、話しかけたりする機会が増えたので、コーディネーターの山崎亮氏の軽快な進行と、ぶれない突っ込みの観点が、参加者でありテーマの張本人でもある私にガンガンと響いてきた。

彼曰く『働くということは「傍(はた)」を「楽(らく)」にするという事。傍を楽にして、その対価として報酬をいただく事が「働く」ことだとすれば、あなたは今のその仕事でどう傍を楽にしているか説明できなければいけない』

この切り口にする事で「内輪の会」にする事を避け、経済性と社会性に則った、現実的な議論を展開しようとするところに鋭さを感じたし、好感を持ち共感を得た。

山崎氏と交流するのは初めての事だが、時代の感性と強い理念のようなものを感じた、この秋に「情熱大陸」に出演されるそうだが、そこで彼がどういう切り口で取り上げられるのか、とても楽しみである。

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「いま、建築に何が可能か」

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一つ目のシンポジウムも言いかえれば「いま、材木屋に何が可能か」という議論だった。私達「設計」をする者にとって社会性と主体性をもって、いま未来を考えていかないといけないと改めて思った深い一日であった。

「その先に明るい未来はあるのか」
「いや、明るい未来は切り開くのもだ」

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