建築士という仕事 その二

皆さんは一級建築士を建築の技術者としてパーフェクト、つまり何でも出来る人と思われていませんか?
答えは「いいえ」です。

運転免許をもっている人の中に「ペーパードライバー」がいるように、一級建築士の中にも「ペーパードライバー的」な人もいます。
前回も言いましたが、プロとして第一線で責任を持って仕事をすることが出来る資格を得たにすぎませんので、その能力を使い続けなければ通用しなくなるのです。
しかも、建築の技術分野は様々です。医者に外科や内科、小児科、歯科などあるように建築にも分野があるのです。
「知り合いに一級建築士がいる」「身内に一級建築士がいる」と言われる事がありますが、実際に皆さんが仕事を通じて関わる場合、どんな仕事の出来る一級建築士なのか知ることが大切です。
ただ、なかなか一般の方にその事がわかるものではありませんね。
そこで日本建築士会連合会をはじめとする業界団体では一級建築士の専門分野を一般の方々にもわかってもらう方法として様々な取り組みをしている事を紹介します。
代表的な例として日本建築士会連合会の「専攻建築士制度」というものがあります。
http://www.kenchikushikai.or.jp/senko/leaf2006/hf_leaf2006.html
わかりやすく簡単にまとめて言うと、建築の専門分野を明示して、その分野において一定の経験があり、その上で常に自己研鑽している建築士であることを証明する制度です。
その条件が満たされていない建築士は取得することが出来ませんし、その条件を継続することが出来ない建築士は失効します。
昨今の建築業界不振の中、我々建築士も消費者の方々にその責務を果たすべく責任を持った有資格者であることを理解してもらう為に、このような制度は大切では無いかと考えます。

私は「設計専攻建築士」です
独立し、仕事が無ければ、つまり経験をつむことが出来なければ失効してしまうのです。
私は専攻建築士を「この先もこの専門分野で経験をつみ自己研鑽を積んでいく事の決意」として取得しました。
皆さんもこういった制度の中にこのような様々な思いがあると知っとくことに損は無いでしょう。

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