これは『和小屋』という屋根の構造形式をもつ天井(屋根)です
昔の家ではほとんどが天井を貼って隠してしまっています。
それにはいろんな理由があるのですが、もったいないと思ってしまいます。
なんていいますか『構造美』という言葉があるのですが
そういう『素』の美しさのようなものが家の中にあってもいいように思います。
昔の家は、屋根を支える構造には粗い材料を使っていることが多く
部屋の天井でその意匠(デザイン)を表現することが多かった事もあり
屋根の構造を仕上げとしてストリートに現している家は少なかったようです。
小屋組みを天井の仕上げとして現すにはちゃんと考えて工夫することが必要です
たとえば、屋根を二重にして、その間に断熱材と空気層を設けて屋根の断熱を施さなければなりません。
見えてくるのは仕上げとしての天井ですから、天井板や構造材は粗い材料ではなく仕上ている材料を使います。
そして、構造体でもある小屋組みは力の流れを考えると同時に、リズミカルに美しく並ぶように設計しなければなりません。
そういう意味で言うとコストがかかるデザインなのかもしれませんが、
住まい手の望む場所の可能性を引き出すための手立てとして、とても効果のあることではないかと思っています。
木造の家を木造の家として感じ、楽しむことの出来るデザインの一つです。