家を安全に支えるためには
構造ということを考えます
構造には「構造形式」があります。
住まいの構造形式には
大きく分けて3種類あります。
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① 木造
② 鉄骨造
③ 鉄筋コンクリート造
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このうち①木造で住宅に採用される身近な構法として
在来軸組構法 と 2×4(ツーバイフォー)構法とがあります。
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在来軸組構法とは
土台・柱・梁などで骨組みをつくり
その間に「筋交い(すじかい)」という斜めの材や
構造用合板という板を使い
耐力壁という地震や台風に耐える壁を
バランスよく配置するように考えられた工法です。
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2×4(ツーバイフォー)構法 とは
いわゆる「インチ材」という
アメリカの寸法からきた材料で
フレーム(枠)をつくり
その枠に構造用合板を使い
パネル化(体力壁化)してバランスよく配置し
地震や台風に耐える工法です。
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在来軸組構法 は一般的に
日本の住宅に多く採用されているので
間取りを考えていくうえで
一般の方々にもイメージしやすいと言われています。
ゆえに木造の注文住宅には
この 在来軸組構法が多く採用されています。
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2×4(ツーバイフォー)構法 は
木造でありながら
その成り立ちや工法から
高い技術力がなくても
安定した品質を確保できるということで
ハウスメーカーや大手ハウスビルダーが採用する構法として
定着している傾向があります。
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昨今ではこの構法、特に木造では
施主が選ぶというより
設計する側、施工する側がお勧めする
というかたちで決まっていくことが多くなっています。
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家づくりをお考えの方々が
木造の構法から家をイメージするとすれば
こんなエピソードがあります。
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在来軸組構法の「まど」は「間戸」と書きます
つまり柱と柱の間の要素が「まど(間戸)」ということになります。
いかにも「和」的な考え方です。
柱と柱の間に建具や襖、障子のある家はこの構法です。
2×4(ツーバイフォー)構法の「まど」は「窓」と書きます
英語で「窓」は「Window」と書きますよね
つまり壁に風( Wind)を通すための穴が「まど」ということなのです。
いかにも「欧米」的な考え方ですね。
大きな壁に小さな窓がいくつも空いているイメージですね。
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しかしながら、最近では
家の気密性や高断熱化という性能的なことや
生活の様式やスタイルが変わってきたことにより
「間戸」というよりは「窓」が主流になっています。
家の構法が家の雰囲気や形に出にくくなっていますね。
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このように一昔前は
住宅の工法がその家のスタイルを決める要素でもありましたが
現在は地震や台風に耐える純粋な「構法」としての要素が強くなっています。
こんな話を頭に入れて家を考えてみると面白いかもしれません。