先日、タワーマンションのオープンハウスに
お邪魔させていただきました。
自身、二度目のタワーマンション訪問です。
そこで私が思ったことを書こう思います。
・
今年から不動産に関わることが
できるようになったわけですが、
まず、最初に感じたのが
「不動産」と「建築」の視点の違いです
長年、建築に関わってきた人間として
あまりその「視点」という部分に
焦点を当てて考えたことはなかったのですが、
実際に実務としてかかわるとなると
そういった「視点」言い換えれば
「ものの見方」というのでしょうか
そこは関わっていくために大事だと考えています。
・
私の個人的な見解となりますが
建築は「モノ・コト」的な視点を大切にして
なぜそこに建つのか?どのように建つのか?
なぜそこで営まれようとしているのか?
といった、人間の営み
住まいで言えば「暮らし」にフォーカスします。
しかし不動産となると「資産」という視点が
強く反映されると感じています。
・
これは今更ながらなのですが
私としてはいい学び、気づきになりました。
この視点はとても大切と思っています。
・
私は30年以上「建築の設計」という
仕事に関わってきました。
特に独立後に多く関わってきた住まいの設計は
「暮らし」という「コト」をいかに良好に
住宅という「モノ」にしていくかが視点となります。
結果、建築された住宅は「財産」となるのですが
設計の開始時点から「資産」的話題にはなりません。
・
ところが不動産は「資産」という視点が
最初から重要なキーワードとなります。
調べてみると…
「資産」とは、経済的価値がプラスの財産らしく
マイナスの財産は「負債」となるようです。
つまり、不動産の話は
この「資産≒プラスの財産」という考え
噛み砕くと「損をしない」ことが大切とも言えます。
・
住まいの設計視点からは、ざっくりいうと
”暮らしをよくする”ことがミッションであり
そこで営まれる暮らしそのものが財産なのです。
それを実現した時点でその財産は
良き資産を得たというマインドになり
そのマインドが幸福感や満足感をもたらします。
不動産視点となると話は変わります
満足のいく暮らしをしている家でも
年月とともに「資産」としての経済的価値は下がります。
となれば不動産視点からのミッションは
”資産価値を上げる”あるいは”資産価値を落とさない”
ということになります。
・
この新たな学び、気づきを大切にして
建築的視点から不動産的視点に広げて
今後に活かしていきたいと思っています。
ーーーーー
先日、見学したタワーマンション。
建築的視点で言うと、もう公共建築なわけです。
タワーマンションという建築モデルで言うと
住まいというより公共建築。
構造や設備は防犯や防災など
集団で住まう建物であるということに
どう対策して「高さ」に挑むか!
が設計のメインテーマになっています。
個々の住戸の間取りにおいては
いかに多くの人に対応できるかという
紋切り型のプランであり
集団で住むということが最優先で考えられています。
しかし不動産的視点で言うと
なかなか簡単に手に入れることができない立地に
ステイタスや利便性を備えて所有することができる
その希少性から「資産」性も強く得ることができる
「住まう」という行為と
「人生設計」という時間的価値感をからめ
そこに「資産価値」がついてくるのであれば
そういう選択肢も成立しているのだと感じました。
ーーーーー
見学させていただいたタワーマンションは築17年。
購入時の価格から約倍の価格になっているそうです。
住み替えながら暮らしていく価値観の方々が
人生のある時期をタワマンでの生活を楽しんで
資産が上がった時点で売却し住み変わる選択肢。
・
見させていただきました。
どちらが良いとか悪いとか
そういうことではなく…
ありがとうございました。