平屋の新築住宅
定年を期に、Uターンで故郷に家族で戻り、畑や趣味を楽しみながらゆっくりとした生活を楽しむための住宅の計画です。長方形のシンプルな間取りにシンプルな切妻屋根をかけ、約1m40㎝の庇を出して低く構え、伯方島の温暖な気候に沿って自然光や自然通風での生活が営めると同時に、おおらかでゆったりとした佇まいとなるように計画しています。
東外観:深い庇を持つおおらかな外観。土間を介した内と外のつながり。
北側外観:切妻屋根から顔を出したような部分はロフト。ご主人の要望である屋根に上り星空を眺めるという楽しみをつくると同時に、安定した北側採光を確保し、南北通風をとるためでもある。
玄関とアプローチを見る:ガルバリウム鋼板の竪ハゼ葺の下屋部分にキッチン以外の水廻りを集めた。
廊下:玄関から廊下を介して居間を望む。冬場の南の光が室内深くまで差し込む
居間を見る:小上がり和室を持つ居間。寛ぎの中心となる場所。突き当りは約3畳分の土間空間。
居間の見返し:右側開口部が玄関へと通じる廊下。左側開口部は台所への入り口。
居間を見る:四畳の小上がり和室をもつ居間はダイニングと土間と仕切りのないいったい空間となっている。天井の形と高さ素材で緩やかに場所を分節している。小上がりを南側に持ってくることで、縁側のような小上がり和室になった。
小上がり和室から個室を見る:右がご主人の部屋、左が奥様の部屋。普段は大きな間仕切り建具を解放して、居間と一体的に広く使うことができる。
小上がり和室から個室を見る:可動間仕切りを閉めたところ。個室を片づけなくても急な来客に対応できる。また、夏場冬場の極端な暑さ寒さに個室化することで空調負荷を低減させることができる。もちろん一人になりたいときにも有効である。
メディアカウンターとキッチン:カウンターは時に配膳カウンターの役割も。キッチンは吊戸棚を無くし開放的に。換気扇は壁からの横引き排気のグリーンハイキを採用した。
居間から土間を介して外部を見る:畑や果樹園のために土間を設けた
土間から居間、廊下を見る:建物の長さが一望できる場所。建物の間口や奥行きが見える場所を一部でも作ることで広さや明るさ、抜けを感じることができる。
ロフトへの上り口:はしごで上がり降りすることで気持ちをリセットする。
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写真:鈴木健一