共に見る既存があるから一緒につくってるって感じで楽しい。
リノベーションってそういうことですよね。
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以前、私がデザインのアドバイスしたバイクのマフラー工場のその後を見せてもらいました。
一緒に考えて、既存の問題点を共有して、そこを楽しむ。
一見DIYのようにセルフビルドな感じがするけど、
クライアントがしっかりと私の役割を必要としてくれる感じ。
私から、スチール角パイプを黒皮のままラックとして製作し、
入り口側の既存のカーテンウォールの無目ピッチに合わせ
外観と内観の連続するリズムを合せるというアイデアをだす。
そして、製作をバイクマフラーを作る溶接職人さんが取組む。
既存のモルタルの壁とチェッカープレートの床と
バランスのとれた素材で、工場と事務スペースを仕切る
という会話の中から、黒皮のスチールパネルの間仕切りが浮かぶ。
黒皮スチールの熔変した鈍い光沢がなんともいい感じ。
入口の扉は無垢の木で荒く仕立てれば?というアイデアに対して
スチールの扉をクラインダーで削りパターンをつけて荒く遊ぶ。
よく見ると、マフラーの部材で唯一の引手を作って取付けてある。
現場の空気を感じてクライアントが現場にアイデアを盛り込む。
モノづくりをしているクライアントだから出来るコラボ感かもしれないけれど、リノベの現場には少なからずこういった事が当たり前にあります。みんなで出し合うアイデアだからこそ、関わった人の愛着がそこに込められる。こういうつくり方が最近なんとも心地いいですね。
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帰り際にクライアントの一言。
「リノベーションの楽しさはよー解ったけど、自分じゃできへんねんなぁ。やっぱ、シンドーさんみたいな人が一緒に考えてくれんとうまい具合いかへんねん。」
ありがとうございます、またビールが美味いっす!