「シンメトリー」簡単にいうと、左右対称という意味ですか。
私の設計する建築には必ずどこかにこの「シンメトリー」が盛り込まれています。というか、最近それが私の個性なのかな…? と感じ始めたのでわざわざここで書き留めるわけなんですが。
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独立した直後、自分の理想というか好みの住宅を設計し模型をつくったことがありまして、ある時その模型と図面を見た建築家の福田浩明先生から嬉しいコメントを頂いたことがあるのです。
「進藤君の建築は何気にシンメトリーやね。ちょっとほかにない感じがありなんちゃうかな、ええやん!」
独立後の実作もなく模型と図面でアピールするしかない、とても不安定な状態の時に、とても救われた思いがあるのと同時に、なんだか自信がついた感じがありました。
福田浩明先生は、最近友人の建築家たちと時々訪れている住宅を設計された石井修先生のお弟子さんで、人柄も素晴らしいとても尊敬できるお方です。最近、人も事もいろいろ繋がることがおおくて、そういったことがやる気というか自信というかそういったものに繋がって言ってるような気がします。
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とはいってもそのシンメトリーってやつを絶対に入れてやるぞ!と強く意識しているわけではないのですが、計画していくと結果的に、このシンメトリーが盛り込まれているのです。
ただ、皆さんご存じの国会議事堂や中之島中央公会堂のようにバリバリに権威的にいくのではなくて、建築内部を歩いているとどこかにそれが顔を出すといった具合に盛り込む癖があるようです。
癖と言ったのは、やはり勤務時代の設計の手法を繰り返し繰り返し考えながら図面化していく中で、頭より手が先に動くといった感じで、ほんとにわざとではなにんですよ。平面から計画していくと自然にそういう場所が盛り込まれているんです。シンメトリーという表現は、やはり権威的な建物に象徴的に多くつかわれるようで、住宅などの身近な建物にはあまり使われない手法ですがね。
実際、好きじゃないとそういう表現は使わないと思いますから、好きなんでしょうね「シンメトリー」
でも、なんとなくですが、正面に「ドカーン」と使わずに、建物の内部を歩いていると、又はたたずんでいる時、ふとした方向にシンメトリーがさりげなくあると、建物の格が上がるというか、心地よい緊張感が増すというか、少しだけ非日常な感じがするというか、理屈抜きであるような気がしています。
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さて、いかがですか?
あなたの家にもシンメトリー(笑